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受験でスランプに陥る人からよく出るワードと、正しい対処法
受験勉強をしていて、スランプに陥らない人はまずいないと思います。私も予備校で進路指導を担当していた当時、たくさんの生徒から様々な悩みを聞きました。 今回は、スランプに陥った受験生からよく聞かれる言葉をピックアップし、さらにそこから脱却するための正しい対処法をお伝えします。
才能がない
「自分にもっと才能があったらいいのにな」と、勉強に対して一度は思ったことがある人も多いのではないでしょうか。
しかし、この「才能」という言葉はとても曖昧で厄介なものだと、私は思っています。これまで1000人近い生徒を見てきて、努力をせずに結果を出している生徒はいませんでした。才能がある、言い換えれば、元々持っている力だけで受験を突破する人は、いないと言ってもいいくらいです。
とはいえ、うまくいかない時に、そう思ってしまう気持ちはわかります。そしてそれは、自分に力が足りないことを痛感したときではないでしょうか。しかし、その力は「才能」と一括りにできるような曖昧なものでは無いはずです。
具体的にどういった力が足りないのか、ぜひそこをはっきりさせて、伸ばしていくことに意識を向けてみましょう。
やる気が出ない・モチベーションが低い
やる気が出ないなと感じた時、「やる気が出るまで待つ(休憩する)」と考えていませんか。こういった考え方だと、少しだけ休憩しようと思ってスマホをいじっていたら、気がついた時には何時間も経っていた、ということが積み重なります。
実は行動科学の研究において、「やる気が出るから行動するのではなく、行動するからやる気が生まれる」ということが証明されています。今日は勉強できる気がしないなと感じても、とにかく始めることさえできれば、段々とやる気が出てくることも多いということですね。「英単語に10個だけ目を通す」、「テキストの問題を一問だけ解く」など、始めのハードルを極限まで下げたうえで、とにかく行動することを心掛けてみましょう。習慣になれば、特に意識せずとも勉強を始めることができるようになってきますよ。
そうやって行動をしてもどうしても軌道に乗らないなと思ったら、その時は潔く休息を入れると良いのではないでしょうか。
理解力がないと感じる
物事を理解するのに時間がかかる、と感じる人も多くいます。確かに理解力が高いことは受験において有利になります。
しかし、受験では「今習ったことをどれだけ理解できたかをその場で問う」ことは絶対にありません。そんなことは全ての受験生がわかっているはずですが、周囲の人との比較などから、その場の出来にどうしても一喜一憂してしまいがちです。受験は長期戦です。その場でできていても試験当日にできなければ点数にならないのと同じように、理解に時間がかかったとしても、試験当日に答えることができれば点数になります。決して、一場面の良し悪しだけで優劣を判断しなくて良いのです。
また、理解できた「つもり」をなくすという意識も大切です。解答を見ずに再現ができるかを小まめにチェックしましょう。または、本当に理解していないと人に説明することはできないので、勉強したことを友達や家族に話してみても良いでしょう。
気分転換になり、自分の頭の中を整理することもできる良い機会です。
暗記力がないと感じる
自分には暗記力がないと考える人は、大抵の場合、暗記にかける回数や時間の使い方が間違っているか、理解して頭に入れなければいけないものを丸暗記しようとしているかのどちらかが原因であることがほとんどです。
可能であれば、自分より良く出来ている人から、どのように暗記しているか話を聞いてみてください。その際、個人差を考慮して、一人ではなく複数人から聞いて統計が取れるとより良いです。
「自分ではよくやっているつもりだったけれど、圧倒的にかける時間や回数が足りていなかった」、
「この部分を理解していなければ、定着しづらい分野だった」
など、自分の視野を広げることができます。
周囲と比べて自分が出来ていないことに落ち込むという話もスランプに陥った生徒からよく聞きますが、それは結果だけを比べているからです。実際に結果を出している人の行動と自分を比較すると、伸びるために必要なことが見えてくるかもしれません。
同じ「比べる」にしても、ただ落ち込むだけより、自分にとって有益な方法を見つけられた方が断然良いですよね。
すぐに忘れる
どうせ忘れるからと思って覚えたり理解することをサボるのは論外ですが、一度しっかりと覚えたこと、理解したことでも、時間が経つと忘れてしまう可能性はあります。
この「忘れること」に必要以上に罪悪感や嫌悪感を持ってしまうと、メンタル面でも良い影響がありません。その場合はまず大前提として、人は忘れる生き物ということを押さえておく必要があります。これは脳の構造からも明らかにされていることで、生命維持に関わること以外のものは、どんどん忘れるつくりになっているそうです。
確かに勉強において「忘れること」は恐れるべきことですが、生活においては、嫌な経験や記憶をどんどん忘れることは必要なことです。また、エビングハウスの忘却曲線という有名な実験によると、学習したことを記憶するには「反復して学ぶこと」が重要であることもわかっています。記憶を維持できるかどうかは能力差だけでなく、人の身体の仕組みにのっとって行動できているかが大きく関係していることがわかります。
これらを知らずに、何かを忘れた事実に落ち込むのは非常にもったいないことで、その時間を、もう一度復習することに充てるべきということですね。
プレッシャーに弱い
模試であっても非常に緊張し、途中で頭が真っ白になってしまうという人も珍しくありません。試験が終わった後に見返して、なんでこの問題が分からなかったのだろうと思うことが多いようです。
そういった生徒に話を聞いてみると、求める結果を意識しすぎているように思います。試験なので結果はもちろん大切なのですが、例えば「満点を取らないと」という意識だけが強い状態で試験に臨むと、よりプレッシャーを感じて目の前の問題に集中しづらくなります。もし求める結果が実力に見合わない高いものであれば、よりそう感じやすくなるでしょう。
対策として、まずは力を出し切ることを第一に考え、その延長線上に結果があると考えられれば、実力以下の結果になってしまうことは少なくなるように思います。そして、プレッシャーに弱いと感じている人は、失敗すること=悪という考え方が特に強い傾向もあります。
「失敗は成功のもと」という言葉もある通り、試験本番でない限りは次に生かすことができますから、ある程度の失敗は仕方ないと割り切ることが、むしろ伸び伸びと実力を発揮することに繋がります。
プレッシャーを感じるということは、それだけ目標を達成したい強い思いがあるということの裏返しですから、ぜひ前向きに捉えて、自分にとってのプラス要素としたいところです。
さいごに
今回は、受験生からよく聞かれる悩みと、対策法についてお伝えしました。
もちろん受験生の細かい状況は十人十色、それぞれ違います。ですが、勉強を頑張る人から聞こえてくる悩みは、共通する点も多いなと毎年感じています。
こちらを読んで、自分だけではないと心が軽くなってくれた受験生がいれば、嬉しく思います。
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